確率って、まだ起きていないことの数字。
2020-03-04


確率って、まだ起きていないことについての見通しを数字にしたものです。
最近の新型コロナウイルスだと、それに罹りました「罹患率」というのが計算されますが、これは「起きてしまったこと」「事実」なので、確率…ということではありません。「発生(比)率」などと呼びます。
 ロシアンルーレットという危ない例があります。昔々、ロシアの貴族(実際は零落して金がなくなった貧乏貴族同士での負債回復法という説もあり)が、お互いに順繰り、六発入りレンコン型弾倉をクリクリッと回して、こめかみに当てて引き金を引く…。弾は一発しか入っていないので、「5/6の確率」で助かり、「1/6の確率」でお陀仏となるというお話しです。
 まだ誰も引き金を引いておらず「それではこれからやりますかっ」といった段階では、これからの見通しなので「1/6の確率」と呼びます。
 それに対して、これまで零落ロシア貴族などが6人組で100個所でやっていると、600人中きっちり100人がお亡くなりになっています。つまり、「100人/600人」です。これは実際に起きた実現値なのですが、その比率の「1/6」に注目すると、「確率」と一致しています。だからと言って同じことではないのです!
 なお、とうとう私の番になってクリクリクリッと弾倉を回して、顳〓に当てて引き金を引いたとき、「私は生きているか、死んでいるか」の二択になります。まだ実現していない数字として、それは「1/2の確率」と言えるでしょう。
 ※ただし、この考え方をすると統計学が壊れるのですぐに捨て去られました。言い換えれば、確率というものの見方では、「今」ということの「一回性」を扱わない、あるいは扱えないのです。
[統計法と確率]

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