デンタク・電卓ということ:平均偏差…
2020-03-18


「心理学実験」という科目では、統計を使い人の反応を分析します。それで「電卓を用意して下さい。(スマホ可)」とアナウンスしていますが、学生はだいたいスマホのデンタク・ソフトを使って「平均偏差二乗和」というものを不器用に計算しています。一応、10数台百均電卓を用意しているのですが、誰も関心なく、実に情けない…。
―前書き―
三つのデータ、a)10, b)20, c)30,があると、
合計は60、
3で割って20が平均値です。
平均・偏差とはデータから平均値を引いたものなので…
a)10-20=-10,
b)20-20=0,
c)30-20=+10, という数値になります。

これを全部足すとゼロになってしまうのですが、a,b,cの値が平均値20からどのくらいズレているを示すものです=平均偏差。
ゼロになっては使えないので二乗(自乗)します―。

a) (-10)^2= (-10)x(-10)=100,
b) (0)^2= (0)x(0)=0,
c) (10)^2= (10)x(10)=100

* ここで使っている上側にある「へ2」の記号は、「その値を二乗する」という昔からある表示方法ですね。

「平均偏差の二乗和」なので、これを三つ足すと、100+0+100=200となります。そうなんですが、三つ項目があったので、これを3で割ると
200/3=66.66.. となります。
したがって、この数値は「平均偏差の二乗和の平均」ということになります。(これを分散と呼びます!)
―前書き終わり―

二乗の計算がたくさん出てくる訳ですが、学生はブーブー言いながら、スマホのスクリーンを不器用にタッチして計算するのです。実に情けない…。
「12.34x12.34=」 のように、何と! 同じ数字を二回打ち込んで計算しているのです(タッチ数は 12です)。

○電卓ならば 「12.34x= 」というように7回のタッチで結果が出るのに、です。無知というのは恐ろしい…。
 ということで、半分程度の操作数と時間で結果が出る電卓を使わず、スマホで分散を計算している姿を見ると、実に情けない…。

「三つの分散を計算する」必要があるので、学生の中には「エクセルでやりたい…」とのたまう者が出てくるのですが、それだと統計の根本である「平均偏差の二乗和の平均」が身体に入らないし、自分がどれほどいい加減な操作しかできないか(計算ミス)を体感する機会を失うのでお断りです。
ということで、古典的な私のような人間は厄介なのだ…という社会的学習の機会も失うので、やはりお断りです(^_^v。
 なお、この計算はイジメではなく、実験要因の効果を割り出す「分散分析」に必要な過程と手順を学ぶためのものです、念のため。
*それはそうと、昔、使っていた「手回し卓上計算機」…。あれはどこに行ったかな…。
[統計法と確率]
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